自他共に変革し続けるグロービスの組織戦略──世の中のリーダーとしての誇りと覚悟

自他共に変革し続けるグロービスの組織戦略──世の中のリーダーとしての誇りと覚悟

グロービス・エグゼクティブ・ディベロップメント(GED)でマネジング・ディレクターとして組織開発・人材育成に携わる花崎さん。社内外を問わず一貫して人の幸せを考えてきたという花崎さんに、同部門で働く醍醐味や展望、求める人物像について聞きました。

限られた企業・地域ではなく、日本全国の組織・個人の成長をめざして

企業の人材育成や組織開発を担う部門、グロービス・エグゼクティブ・ディベロップメント(以下、GED)。同部門が立ち上げられたのは、2009年のこと。長年にわたって蓄積してきたノウハウやソリューションの提供先を広げたいとの考えが背景にありました。

花崎 これまで当社ではお客様ごとにカスタマイズしたサービスを中心に提供してきましたが、日本経済全体の活性化を視野に入れ、さらには世界へと展開していくフェーズを迎えています。競争力向上や組織の力を最大化してより広範囲で貢献していこうと考えたことが、GED立ち上げのきっかけでした。

2010年代に入ると、デジタル化やグローバル化が急激に加速。それにともなって企業の戦略的課題が複雑化したことで、GEDも大きな方向転換を迫られることになります。

花崎 以前は、部長・課長クラス以上のお客様にサービス提供することが企業の競争力向上につながっていましたが、2010年代以降、現場から経営レベルまで、社内のあらゆる階層・役割に戦略的な思考・実行力が求められるようになってきました。

お客様の業界や職務が多様化するのにともない、われわれもサービスを多様化していかなくてはなりません。すべての参加者が何かしら行動を変えたり、社内外とのコラボレーションを展開したりするきっかけになるような、実践的なクラスを提供する必要が出てきたわけです

そうした課題意識のもと、GEDでは“最先端のリーダー育成・組織開発のメソッドの提供を追求し、日本全国の企業・地域において組織・個人の成長を実現する”とのビジョンを掲げ、これまで幅広いお客様と向き合ってきました。

花崎 学びの場としてオープンスクール・企業研修をベースとしながらも、オンライン/リアルの垣根なく学びを活性化させる仕組みづくりに力を入れ、都市部だけでなく地方都市も射程に入れながら活動領域を広げてきました。

また、テクノロジーとイノベーションを掛け合わせた造語“テクノベート”をキーワードに、デジタル技術やAI技術を活用してお客様にビジネス改革をしていくための知恵を身につけてもらうソリューションの提供も促進しています

先進的変化を続ける組織の一員として、お客様の変革をお手伝いできるのがGEDの魅力

GEDが提供するサービスの内容は大きく分けて4つ。1つめが創業以来提供し続けているオープンスクール、2つめがお客様に合わせてプログラムを組んで実施する企業研修、3つめが“GMAP”というアセスメントサービス、そして4つめが“GLOBIS 学び放題”を中心としたデジタルサービスです。

花崎 GEDの特徴は、これらのほとんどを自部門で企画する、“製販一体”のかたちをとっていること。たとえば、オープンスクールと企業研修については、講師を兼務するマネージャークラスのメンバーが、他部門のメンバーともコラボしながら、講師の視点でサービスの開発・改良に力を入れています。GMAPに関しても同様です。

外部パートナーの協力を得て、われわれ自ら何種類ものテスト問題を作成しています。自分たちが必要だと思ったものを自分たちが中心となってつくり、実装していくのがGEDの大きな特徴です

グロービスには、GEDと同じくリーダー育成、組織開発を担うグロービス・コーポレート・ソリューション(GCS)があります。似ているようで、両者には大きな違いがあると言う花崎さん。

花崎 GCSがそれぞれのお客様の懐に深く入り込み、テーラーメイド型のサービスを提供しているのに対し、GEDは大きな潮流に目を向けながら、実にさまざまなお客様の経営課題と向き合ってきました。

当社がサービスを提供する約3,000社のお客様のうち大半をGEDが請け負っていますが、幅広い業界のお客様を相手にしていると、たとえばある業界で見えてきた課題が、数年後に別の業界でも課題になることが少なくありません。

そうやって大局を捉えながら来るべきビジネスモデルに想いを馳せ、議論を重ねながら次なる一手を講じることがわれわれの仕事であり、ミッションだと考えています

2009年の立ち上げ以来、業績的にも組織戦略的にも常に進化してきたGED。そこで働くおもしろさについて花崎さんはこう話します。

花崎 GEDは今も進化を続けていますが、それと並行して、われわれが時代を先取りしながら果たしてきたのと同じ進化をお客様に遂げてもらうことがGEDのめざすところです。良い組織、良い戦略の体現者としてお客様が直面する課題を解決しながら、ともに進化し続けられることが、この仕事の醍醐味だと思っています

営業・同業の経験は不問。価値発揮する上で重要な3つの要素

GEDには若手のうちから活躍できる環境があると言う花崎さん。その理由について次のように話します。

花崎 私のようなマネジメント層から見える範囲は限定的。一方で、組織の可能性は無限大だと考えています。あらゆる業界に共通する最大公約数的な課題解決の方法を見つけ出す上で鍵になるのは、お客様の戦略的な課題の変化を肌で感じている現場の若手、リーダーたちの力です。

GEDでは少なくとも入社後3カ月は先輩が伴走し、半年か遅くとも1年以内には、担当するお客様と1人で向き合い、現場で得た感触をもとに自分の解釈をお客様の経営に反映させていきます。そうやって彼らがお客様の悩みに徹底して寄り添ったり、議論したりするからこそ、新たなサービスが生まれると考えています

GED・GCS共に業務の上で鍵となるのは、“企業理解・設計力・提案力・顧客リレーション・マルチタスク”の5つの力。中でもとりわけ重要なのが、“設計力”と“マルチタスク”です。

花崎 GCSでは、講師とコラボしてテーラーメイド型の設計をしていくのに対し、GEDが重視するのは、サービスを幅広く深く理解すること。体系化されているサービスのうち、どれをどう組み合わせるとお客様のどんな課題の解決につながるかを考えながら設計していく力が求められます。

また、GCSに比べてサービスを提供するお客様の数が多いのがGEDの特徴。社員一人で約50社を担当しているため、複数のタスクを同時並行で、しかも短期間で切り替えながら対応する力がとても重要です

上記の5つの力に加え、GEDに必要な6つめの力として“戦略思考力”を挙げる花崎さん。

花崎 GEDでは、お客様が直面する課題を見つけて終わりではなく、メンバーがそれに対して自ら解決策を提案し、そこに自分がどう関わり、どんなサービスを提供できるかを考え、実際に関与するケースが多いんです。新しいサービスづくり、コンテンツづくりに携わることになるため、具体的な戦略へと落とし込んでいける力がとても重要だと考えています

一方、営業未経験でグロービスに入社している花崎さん。GEDでは同業の経験はもちろん営業の経験もマストではないとした上で、重視するポイントについてこう述べます。

花崎 人の価値は、既存のスキルに新しいスキルを組み合わせることで高めていくもの。仮に営業の経験がなかったとしても、これまでの業務で培ったものに、グロービスで得た知識やスキル、経験を掛け合わせることで、十分に力を発揮していただけると思っています。

むしろわれわれが尊重するのは、“思考力・行動力・共感力”の3つ。論理的に考えることはもちろん、個々人の想いを捉えながらビジネスをまとめられる総合的な“思考力”、それを実行に移せるだけの“行動力”、そして、周囲に対して手を差し伸べられる“共感力”。

この3つの力を備え、仕事の規模に関係なく、自分が主体となって周囲を巻き込みながら複数のプロジェクトを成功に導いた経験がある方をGEDは歓迎します。グロービス流の考えを、ともに学んでいきましょう

求めるのは、“組織のリーダー”ではなく、“世の中のリーダー”たらんとする人

時代の課題を先取りするように2009年に立ち上げられたGED。創設から15年目を迎えた現在も、めざすところは変わっていません。

花崎 お客様が直面する課題をいち早く見つけ、それを解決するサービスを提供するというこれまで回してきたサイクルのスピードをますます高めていきたいですね。デジタル技術やAIといった最新技術を組み込むほか、営業をしている方々から積極的に提案してもらいながら、お客様に驚きをもって迎えられるようなサービスを提供していきたいと考えています。

お取り引きしているたくさんのお客様の中から、10年後や20年後の世界をけん引していくことになるようなスター企業と遭遇する確率がとても高いと思っています。1社でも多くの企業と向き合い伴走しながら、世の中を少しでも良くすることに貢献していけたらいいですね

国内はもとより、世界が抱える課題を解決していこうとするこれからのGEDに求められるのは、“組織のリーダー”ではなく、“世の中のリーダー”だと語る花崎さん。その言葉の背景には、花崎さん自身の人生観が見え隠れします。

花崎 自分以外の人を幸福にすることがリーダーの仕事だと思っているんです。そのためには、どんな場面に直面しようと、柔軟に、賢く、素早く、それでいてゆったりと構えながら対応していかなくてはなりません。

さまざまな苦労があるし、相応の鍛錬も必要ですが、そうした犠牲を払ってでも、『社会をより良くしたい』『世の中にいる人たちをよりいっそうしあわせにしたい』と確固たる想いを持ち続け、それを実現することが回り回って自分自身のしあわせにもなると想像できるような人に来ていただきたいですね

世の中を良いものにしたい──そんな大きな夢を臆面もなく花崎さんが語れるのは、グロービスの、GEDの仲間となら、それが実現できると信じているからにほかなりません。どんな道筋で宿願を果たしていくのか。今後もGEDの活躍にご期待下さい!