急速なグローバル化に直面する日本企業。
過去の“常識”に揺さぶりをかけ、
新たな戦いに挑む覚悟を持つ。
法人事業部門 経営人材・組織変革プロフェッショナルの事例

創造に挑み、変革を導く。GLOBIS | RECRUITING

経済のボーダレス化が進展する中、激しいグローバル競争にさらされる日本企業。国内のグローバル人材育成、ナショナル社員の強化・育成、それらに伴う人事制度の再構築等々、突きつけられる課題は山積している。グロービスは、日本企業が直面するこれらの課題についてどのように考え、解決への道筋を提供しようとしているのか。ひとつのプロジェクトを紹介したい。

グローバル化に直面する企業の力になる“何か”

グロービス・コーポレート・エデュケーション部門で、組織開発・人材育成のコンサルティングを行う山臺尚子の元に、大手担当クライアントから相談があったのは今から3年ほど前のことであった。

「グローバル人材育成プログラムを海外で実施するにあたって、どの国で、どのようなプログラムで行うかも含めた全体のコンセプトから提案して欲しい。単なる物見遊山の研修ではなくしっかりと学びを担保して欲しい、というものでした。当時のグロービスは上海やシンガポールに営業拠点を立ち上げ、全日制の英語MBAを新設したところ。海外でグローバルの人材育成を実施したいという声も各業界のクライアントから少しずつ上がってきていましたが、実績は今と比べるとまだまだ少ない状態でした」。

このような状態で果たしてクライアントの満足を、そして受講者の学びを満たすことができるのだろうか。期待に自信を持って応えられない申し訳なさから、一瞬提案依頼を辞退する選択肢も頭をよぎった。「不安要素を数えたら切りがありません。でも、私たちがチャレンジしなければ、急速なグローバル化に直面する日本企業は変わらない。そして"未知"にチャレンジすることで、私自身もクライアントに提供できる新たな価値を得られるのではないか。そう考えたのです」。ただ、それが何かは、山臺にもわからなかった。

常識に揺さぶりをかけるプログラムを創る

プログラムの実施までに許された時間はわずか半年。すぐさまクライアントの海外事業の分析、展開国の状況、過去の研修に参加した受講者の声、経営陣からのフィードバックコメント等の情報を集めてメンバーと共に検討を開始した。「過去実施してきたプログラムでの状況を改めて思い起こしてみると、日本人受講者と、外国人受講者の間では議論には"温度差"があることを思い出しました。日本人は常に日本での状況をベースにした議論に終始している。一方の海外の受講者たちも日本の状況には目を向けていない。同じ会社の将来の議論をしながらも、それぞれ別の方向を見ているように感じました」。

「このクライアントだけではなく、多くの日本企業が国内ではリーダー企業であっても、海外では後発でチャレンジャー。だからこそ、成功体験を捨て、スピード感を持って対応することが必要。頭では皆分かっているはずなのに、それぞれの持つ"常識"や"前提"に縛られて、見えない溝が生まれている。この現状を打ち破るには、"常識"や"前提"を持てない場所で、自由に発想してみる経験が必要なのではないか」。そう気づいた時、研修プログラムのテーマが決まった。

プログラムの開催地に選ばれたのはクライアント企業がまだ事業を展開していないアセアンのとある国。日本国内で自社に対する理解を深めるセッションを行った後、現地に赴き、現地の人々へのインタビューをベースにしたビジネスアイデアの作り込み、ビジネスアイデアを経営陣に発表するという一連のプロセスを3日間でやり切るプログラムを提案した。

「このプログラムの企画では、知らない土地で消費者一人ひとりの声を聞き、向き合うインサイトマーケティングや、短期間でアイデアを形にするリーンスタートアップを実施し、従来のマスマーケティングによる時間をかけた事業開発とは"逆"の手法を取り入れることにこだわりました。つまり、通常の業務では経験しないことをあえて経験することで、知らない間に囚われていた常識や前提に"自ら"気づくことを目指しました」。

現地でリアルな消費者の声に触れる機会が作れなければ、このプログラムは実現できない。山臺はグロービスの営業拠点との連携を考えたが、その国には拠点を持っていなかった。そこで山臺はその国にネットワークを持つ、とあるベンチャー企業とこの案件における協業も提案に加えた。

クライアント、協業先企業、そしてグロービス。異なる3社の共同作業によって遂にプログラムは完成した。実際の現場では、想定外のことも多く起こったが、一つひとつ協力しながら乗り越えていった。

ゲームのルールが根本的に変わる世界に対峙し、戦う覚悟

「自分たちの常識や前提は、場所が変わればそうでなくなる、ということを参加者全員が自然な形で体感できました。プログラムだけで、日本国内の受講者と海外からの受講者との温度差といった課題の全てが解決するとは考えていません。しかし、お互いが持つ"常識"に揺さぶりをかけ、違いと共通点に気づくきっかけは作れたと信じています。変わるにはまずは気づくことが大事なのです」。

このプログラムの受講者は、既に100名を超えている。クライアント社内での評価も年々上がり、海外からの参加希望者も増えている。海外事業のキーマンとなるような人材も育っている。プロジェクトを通して山臺自身の視座も上がった。「日本企業が直面しているグローバル化の問題は、単純に言葉やコミュニケーションができるかどうかではありません。ゲームのルールが根底から変わり、企業はこれまでとは全く違うルール、常識の中で生きている。今までの成功例はこれからは失敗例となるかもしれない。企業には"常識"が通用しない世界に対峙し、戦うという覚悟が問われているのだと思います」。そこにこそ、グロービスがクライアントに提供できる"成長への奮起"があるのではないかと、山臺は感じ始めている。

※部門やタイトルはインタビュー当時のものになります。

[このプロジェクトを担当した社員]

コーポレート・エデュケーション
コーポレート・ソリューション・チーム
マネジャー
山臺 尚子

大学院修了後、大手特許事務所に勤務。後、グロービスに参画。現在は、法人向け研修部門にてマネジャーとして所属。消費財、食品、IT、物流・運輸等のクライアントに対し、中期経営計画・戦略実現の支援、人材育成体系構築支援、経営人材候補者の強化を目的とする、研修プログラムの企画・設計・実施を行う。 思考系領域の研究グループに所属し、最新の知見を研究すると共に、グロービス経営大学院の講座・コンテンツ開発(「戦略コミュニケーション」)、企業研修の講師としても登壇。共著書に「グロービスMBAで教えているプレゼンの技術」(ダイヤモンド社)。

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