クリスティーナ・ツァオは、第1期生のうちの1人である。台湾生まれの彼女は、16歳の時に叔母の住むロサンゼルスに移住。大学卒業後、現地の建築マネジメント会社、貿易商社で働いていた。「オペレーションズ・マネジメントの分野に興味を持つようになり、米国か日本でMBAを取得することを考えていました。グロービスを選んだのは、いくつかの理由があります。この分野で最先端を行っている日本で学び、働きたかったこと。1年で取得できるよう効率的なプログラムが組まれていること。ケーススタディとディスカッションが主体の授業だったことも大きいですね。子どもの頃からただ教科書を開いているだけの授業が苦手なんです(笑)。もちろん、奨学金制度や日本での受け入れ態勢が充実していたことも魅力でした」。
グロービスの全日制英語MBAプログラムは、海外からの留学生が日本の首都・東京で学ぶことを意識してつくられ、『新日本的経営』『日本・アジア企業のグローバル化戦略』など、日本やアジアの特質を打ち出した科目を設け、アジア発のグローバルな視点を体得できるものとなっている。さらに学びの仕上げ時期となる最後の3カ月間は、日本国内のグローバル企業とグロービス経営大学院の提携によるインターンシップを実施。クリスティーナもこの制度を利用し、10社ほどの候補の中から、三菱ふそうトラック・バス株式会社を選択。その後、正社員として入社している。バン・スチケルは言う。「インターンシップ制度は、留学生が日本で学ぶだけでなく、働けるようにしたいと企業に呼びかけて実現したもの。クリスティーナのようなケースでは、全員が正社員としての採用が決まっています。海外、特に日本をリスペクトしている国が多いアジア地域でも、グロービスの卒業生たちの人気は高い。それらの国々の企業が日本流の経営の考え方やマネジメントスキルを身に付けている人材を求め、彼らもまたそれに応えられるだけの能力を持ち、努力をしているからです。1年はあっという間ですが、外国人留学生たちの成長にはいつも本当に驚かされます」。
日本で働くという願いを叶えたクリスティーナは、その後結婚し、子どもも誕生。仕事もプライベートも充実した日々を送っている。クリスティーナはこう話す。「グロービスで学んだこと、ここで出会った仲間、そして私たちを見守り、応援してくれた社員は、私の人生にとってかけがえのない宝物となりました。いまでも全員がFacebookでつながり、近況を報告し合っています。生涯の友と呼べる仲間と出会えるというのは、グロービスの特徴の1 つですが、それは私たち留学生にも同じように言えることなのです」 。